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2007年6月 6日 (水)

幻のタイトル

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大友さんのキャラクター原案にも記載されている通り、この作品のタイトルは当初『SOS大東京探検隊2006』でした。これは絵コンテどころか、アフレコで使ったラッシュまできっちり「2006」と入っており、“新”とつけられたのはわりと完成直前だったような記憶があります。アフレコは昨年の8月に行われたのですが、そのときの画面を観ながら、作品の見事な仕上がりに驚く一方、ぼくなりに改題することをずっと考えていたのを思い出しました。

東京国際映画祭への出品を決めたのがいつ頃だったかは定かではないのですが、確かそのエントリーフォームの提出期限を新しいタイトルの締め切りにしたような気がします。それくらいじゃないと、ロゴのデザインも間に合いませんからね。(このとき国際映画祭向けに英語タイトルをひねり出した話は、以前書いた通りです)。

ぼくらが「2006」を変更したいと思った理由は単純です。もともと本作はDVDのリリースを前提に、3DCGによるキャラクターアニメーションの挑戦をテーマに据えたOVA作品でした。ところが、どう考えてもこれを2006年中に商品化することはありえない。であるならば、あまり設定年にこだわる必要もないのではないかと。2007年に登場する新作が「2006」と強調するのも妙な感じがしますよね? そんな思惑があって、現在の題名に落ち着いたというわけなんです。

ですが、上がった作品を見直すと、Vodafoneの看板が映るわ、ウィルコムのW-ZERO3が出てくるわと、画面のそこかしこに拭いがたく「2006年」のディテールが刻印されていることに気づかされます。だいたいサスケの胸のワッペンにも2006って数字が入ってますしね(笑)。

先日のトークショーでもこの話題が少し出たのですが、再開発の止まらない東京では風景を切り取ろうとすると、たとえアニメであっても、その「時代」にしか映せない光景になってしまうのだ言います。そう考えると、『SOS大東京探検隊2006』という幻のタイトルも、もしかすると心配するほど悪くなかったのかもしれません。

ちなみに、先ほど触れたW-ZERO3ですが、これが登場するカットについてトリビアを一つ。実は東京国際映画祭で上映したバージョンと劇場公開したバージョンは、エンディングクレジットの改訂を除いてほぼ同一なのですが、唯一このカットを差し替えています。何を変えたかというと、最初のものは謎のOSのロゴが表示されているのですが、劇場公開版ではちゃんと了解を取って、Windowsのロゴを入れたのだそうです。こうしたディテールのこだわりが、『新SOS』を支える魅力の秘密と言えるのでしょう。

桑島(宣伝P)

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