『新SOS大東京探検隊』の大きな特徴の一つに、「3Dアニメ」で作られたという点があります。3DCGを駆使しながら、ごく普通の平面的なセルアニメ(=2Dアニメ)にしか見えないそのタッチと動きにこそ、高木監督をはじめとするスタッフが一丸となってこだわってきたわけですが、そこには世界に誇る日本のアニメが持つ力を、さらに飛躍させる可能性が秘められているように思います。まあ、観客の皆さんにとっては、デジタル技術の博覧会をご覧いただくわけではありませんから、そんなテクニカルな話はどうでもいいことなんでしょうけど、それでも、もしかするとこの作品が日本のアニメ史における転換点になるのかもしれないと、そんな予感が強くしています。
さて、この映画の特徴を伝えるために、前述の通り「3Dアニメ」という言葉を宣伝で用いてきたのですが、何度かこんなことを聞かれました。
「3Dアニメって、飛び出す立体映画のことなんじゃないの?」
最近受けたこの質問には、正直頭を抱えました。宣伝でいつも難しいと感じるのは言葉の使い方なんですが、古ければ「死語」になるし、新しい場合は伝わらない。だから、観客を半歩リードする絶妙な一言、保守と革新の間にあるヒットへつながるツボを探り当てようと、ぼくら宣伝マンは知恵を絞るわけです。ですが、まさかこの作品のキモとも言える「3Dアニメ」という言葉が混乱を招くとは思わず、これには大いに悩まされました。
確かに「3D映画」と言えば、“飛び出す映像”ということになりますが、アニメやCG業界での用語の使い方を参照し、今回は結局「3Dアニメ」で押し通すことにしたんですけどね(笑)。まあ、こんなふうに言葉一つをどうするかで延々と議論を重ねるのも、宣伝の舞台裏としてはごく当たり前にあることなんです。
ちなみに、「3D映画」のことについては、ジャーナリストの大口孝之氏が手がけているこちらのWebサイトがとても参考になります。本題とは外れますが、面白いですよ。
http://www.tcat.ne.jp/~oguchi/
桑島(宣伝P)